メモリ / コンテキスト

肥大化する会話履歴を再生する代わりに、エージェントが学んだことをセッション間で保持する層。難しいのは「何を記憶すべきか」の判断で、自分のデータで抽出品質を検証する必要があります。

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hermes-agentツール連携

Nous Research自身が開発するエージェント本体で、TUIと単一のgatewayプロセスがTelegram、Discord、Slack、WhatsApp、Signal、Emailの会話を束ね、cronスケジューラ、隔離されたサブエージェント、local/Docker/SSH/Singularity/Modal/Daytona/Vercel Sandboxという7種類のターミナルバックエンドを備えます。核になるのは閉じた学習ループで、定期的な促しに応じて記憶を整理し、複雑なタスクの後に自らスキルを作り、FTS5とLLM要約で過去セッションを検索します。裏を返せば、有用さの源である状態が`~/.hermes`配下に溜まり続け、バージョン管理の外で育つため、定期的な棚卸しが前提になります。組み込み用のライブラリではなく運用するアシスタントであり、READMEが記載するのはhermesのサブコマンドとスラッシュコマンドで、埋め込み用のAPIではありません。自作コードから呼ぶエージェントループが欲しい用途には向きません。シェルを扱えるエージェントをチャット経由で露出させる以上、コマンド承認とDMペアリングの設定は任意の飾りではなくなります。

公式MIT238k+3.8k
claude-memメモリ / コンテキスト

エージェントのライフサイクルにフックを差し込んで全ツール呼び出しを記録し、小型モデル(既定はClaude Haikuで、手持ちのサブスクリプションかAPIキーで動作)が題名付きの観察記録へ圧縮します。次のセッションの開始時には直近の記録が自動で文脈へ注入され、検索はMCPツール経由で、安価な索引行から詳細本文へと段階的に掘れます。保存先はローカルのSQLiteと任意のベクトル索引で、Claude Code以外にもOpenCode・Cursor・Codex CLIへの導入手順があり、privateタグで囲んだ内容は保存されません。採用前に性格を知っておくべきで、これは受け身のプラグインではなく常駐デーモンとBun・Python一式を伴うインフラです。圧縮はセッションごとに実際のモデル利用枠を消費し、最初の1年でメジャーバージョンが13回上がる速度で変化しています。

Apache-2.092.5k+1.1k
Mem0メモリ / コンテキスト

会話から永続的な事実を抽出し、次回以降の実行で関連するものだけを取り出します。肥大化する会話履歴をそのままコンテキストに流し込む方式を避けられるのが利点です。セッションをまたいでユーザーを記憶させたい用途に向きます。何を保存するかはモデルの判断に委ねられるため、自分のデータで抽出品質を検証してから本番投入することを勧めます。

Apache-2.064.3k+509
MemPalaceメモリ / コンテキスト

多くの記憶の仕組みは、何を覚える価値があるかをエージェントに判断させ、その要約を保存します。つまり、重要だと思われなかった細部は、必要になったときにはもう残っていません。MemPalaceは逆の道を選びます。会話は一言一句そのまま保存し、構造は内容ではなく索引の側に持たせます。人やプロジェクトが棟に、話題が部屋になり、元の文章は引き出しに収まります。そのため検索を全体に平らにかけるのではなく、書庫の一部に向けて絞り込めます。動作は手元のマシンで完結し、MCPとして公開できるためコーディングエージェントから直接検索できます。保存先はChroma、SQLite、Milvus、Qdrant、Postgresから選べます。取り込みは自動で起こるものではなく、自分で実行する作業です。

MIT58.7k
Graphitiメモリ / コンテキスト

多くのメモリ層は上書き方式で、新しい事実が古い事実を置き換え、昨年時点の答えは取り出せなくなります。Graphitiは古い関係を「もう成立していない」と日付付きで印を付けるため、現在の真と当時の真の双方に問い合わせられます。さらに、出来事が起きた時点と、システムがそれを知った時点を区別します。遅れて届いた情報が過去を書き換えてしまわないのはこの仕組みによります。検索はベクトル類似度、全文検索、グラフ探索を組み合わせます。費用は具体的です。グラフデータベースを併走させる必要があり、取り込みのたびに実体と関係の抽出でモデルを呼びます。

公式Apache-2.030.4k+217
Planning with Filesメモリ / コンテキスト

長い作業には特有の壊れ方があります。エージェントは計画を持っていたのに、文脈が消去または圧縮され、戻ってきたエージェントが自信満々に別の仕事を仕上げてしまう、という壊れ方です。このスキルは計画を会話から外し、ディスク上に移します。計画のファイル、分かったことのファイル、済んだことのファイルの3つで、毎ターンそれらをエージェントの目の前に戻します。計画がファイルである以上、消去や異常終了、圧縮を越えて残り、実行中に人が自分で読むこともできます。任意で有効にできる関門は、計画がそう示すまでエージェントに完了を宣言させません。開発元は盲検のA/B比較結果を公開しており、これは多くのスキルにはない点です。

エージェントスキルMIT26.4k
Lettaメモリ / コンテキスト

コンテキストウィンドウをRAM、それ以外をディスクとみなし、何を読み込み何を退避するかをエージェント自身に判断させます。この枠組みにより、無期限に動き続けるエージェントが扱える対象になります。既存スタックにメモリライブラリを後付けするより、思想への踏み込みが大きい選択です。

公式Apache-2.024.5k+148
Distillyツール連携

なぜこの仕組みがこうなっているかを知っていた人が去ると、その人が書き残した文書は、知っていたことのうち小さいほうの半分だったと分かります。Distillyはもう半分に手を伸ばす試みです。その人のメッセージ、文書、聞き取り、公開されている文章を渡すと、観察できる傾向をまとめた人物プロファイルを作ります。何をどう決めていたか、何にこだわっていたか、どう言っていたか、といった内容で、エージェントが読み込めるスキルの形で出力されます。開発元は主張の範囲に慎重で、利用する側も同じであるべきです。出力は渡した資料に基づくものであり、その人物そのものだとは主張していません。分かりやすい注意点は同意です。素材はたいてい他人のものだからです。

エージェントスキルMIT24.1k
Hindsightメモリ / コンテキスト

会話を保存して後から検索できるようにするのは簡単なほうです。難しいのは、同じ内容が少しずつ言い方を変えて何度も出てくることと、後からの訂正が前の発言に勝たなければならないことです。Hindsightはそこを軸に作られています。関連する事実は根拠を伴う1つの見解にまとめられ、新しい根拠が来るたびに更新されるため、考えが変わったことが矛盾する2つの記録ではなく更新として読めます。検索は意味、単語、関係、時間の4つの方法を同時に走らせます。先月何が変わったかという問いは、似ているものを探しても答えが出ないためです。ライブラリとして読み込むのではなく自分で動かすサーバーで、MCPの窓口と複数言語のクライアントが用意されています。

MIT21.6k